少彦名命(スクナビコナノミコト)とは？神社やご利益、神話を解説

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【日本の神様一覧】日本を作った神々を神話エピソードとともに紹介！日本を作った神様たちを知っていますか？古事記などの日本神話を元に神様の名前やエピソードを紹介します。ご利益の一覧もありますよ♪...

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一寸法師のモデル、少彦名命(スクナビコナノミコト)とは？

オオクニヌシと共に国づくりを行ったとされる、スクナビコナ。

この記事では、主に『古事記』をもとにスクナビコナについて解説していきます。

国づくりを推し進めていくオオクニヌシと出雲で出会ったとされているスクナビコナは、温泉治療や医薬、酒造の神としてのエピソードを持っています。

少彦名命は温泉や酒精で傷や病を癒す【医療・治癒の神】

スクナビコナはとても小さな神様で、一説によると童話の「一寸法師」のモデルとも言われています。

常世の国から小さな船でやってきたとされ、漁業や航海守護のご利益があると伝えられています。

また、病にかかったスクナビコナを、オオクニヌシが湯で温めたところスクナビコナはみるみる回復しました。

さらに、スクナビコナが祝福して醸した酒を神功皇后がふるまったという逸話もあり、温泉や酒造で相手の体を癒す力を持っていました。

これらのことから、スクナビコナは国土平安や病難平癒、安産といったご利益があり、温泉の神、また酒造の神とされ、現在でも神社で祀られています。

少彦名命の家系図｜神産巣日神から生まれた来訪神

スクナビコナは、神産巣日神(カミムスビノカミ)から生まれたとされています。

カミムスビは天地創造を行った3柱のうち1柱であり、創造を司る神です。

スクナビコナは、天の羅摩船(かがみぶね)というガガイモの殻の船に乗り、蛾の皮を衣服としてまとい、オオクニヌシの前に現れました。

その小さく独特な姿に驚いたオオクニヌシがスクナビコナの出自を尋ねたところ、カミムスビはこう答えました。

「私の手指の間から漏れこぼれ落ちた子です」

そして、スクナビコナとオオクニヌシのふたりで協力して国づくりを進めるように命じたというエピソードが有名です。

国づくりの途中で常世の国へと帰っていったスクナビコナには、子孫の存在は言い伝えられていません。

海のかなたからやって来て色々な技術を伝え、また海のかなたへと去っていくスクナビコナは、まさに来訪神としての不思議な魅力を持っています。

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様々な知識や霊薬で大国主命の建国を支えた、陰の立役者

スクナビコナは、小さな船に乗ってきた小人のイメージから、童話で親しまれている一寸法師のモデルになったとも言われています。

その後はオオクニヌシと共に国づくりを行い、小さな体ながらもさまざまな知識を授け、大きな助けとなりました。

オオクニヌシとコンビとなって活躍したスクナビコナですが、最後にはひっそりと姿を消します。

もともとやって来た常世の国へ、海を渡って、あるいは粟(あわ)の茎の弾力を利用して帰っていったとされています。

少彦名命は宇宙人だった！？スピリチュアルな解釈をご紹介

一寸法師のモデルとされるスクナビコナですが、いっぽうで宇宙人説もあるのをご存知でしょうか？

海の向こうにあるとされる常世の国から、光り輝きながらやって来たスクナビコナ。

この世とは別の世界から突然やって来て、様々な技術や知識を授けた後は、この世界に深く関わらずにもといた別世界へ帰っていく姿は、確かに天の使いとも解釈できます。

スクナビコナの助けがあったからこそ、温泉や酒造、医療の技術が行き渡り、国が大きく成長したと言えるでしょう。

オオクニヌシの建国を支えるため、高天原から使者として送られたのがスクナビコナであるとも考えられます。

そのようにとらえることで、スクナビコナが子孫も残さず帰ってしまったことに納得がいきます。

建国の手助けをし、必要以上に干渉せず、期限が来たらそっと去っていく…心優しい小さな宇宙人としてのスクナビコナの姿は、とても平和的で慈愛に満ちています。

少彦名命の別名について【少名毘古那神・少毘古那神】他

温泉や酒で神や人々の体を癒したスクナビコナは、医療や薬にまつわる別名を持っています。

• 久斯神(クスノカミ)：酒の神様の意味。出雲国風土記などでの呼称
• 薬神(クスシノカミ)：薬の神様の意味。日本に医薬を広めた薬祖神(やくそしん)として、大己貴神(オオナムチノカミ)と共に2柱の神として記述されることもある。日本書紀に見られる
• 須久那美迦微(スクナミカミ)：播磨国風土記における別名
• 少日子根(スクナヒコネ)：風土記よりにおける別名
• 少毘古那神(スクナビコナカミ)：古事記による表記
• 蔵王権現(ザオウゴンゲン)：憤怒の表情を持った、猛々しい姿の破邪の神様。神道において、スクナビコナやヤマトタケルノミコトと共に習合し、同一視された。一緒に祀っている神社もある

大国主命や大物主など、少彦名命と他の神様との関係

大国主命との関係｜国づくりを支えたコボココンビ

オオクニヌシの日本建国を裏から支え、豊富な知識と技術を授けたのがスクナビコナです。

小さな体のスクナビコナと青年のオオクニヌシのデコボココンビは、建国に欠かせない名コンビと言えるでしょう。

『日本書記』には、オオクニヌシとスクナビコナが、共に全国を回り医療の普及にいそしんだと記されています。

二人の行動は、国の安定と平和を支える重要な役割を果たしました。

オオクニヌシの有名なエピソードのひとつに、因幡の白兎の神話があります。

傷ついた白兎を見かけたオオクニヌシが、正しい治療法を教えたオオクニヌシの逸話ですが、この癒しの力や医療の知識はスクナビコナと共通するものがあります。

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大物主との関係｜参謀としての役割を継いだ後継者

もうひとりの国づくりの協力者についてもみていきましょう。

共に国づくりに励んできたスクナビコナは、ある日オオクニヌシのもとから去ってしまいます。

協力者を失って途方に暮れていたオオクニヌシのほうへ、海の向こうから光り輝きながらやって来たのが大物主(オオモノヌシ)です。

『神武天皇記』によれば、オオモノヌシは女性に一目惚れし、策略をめぐらせてめとったというエピソードがあり、子孫を残さず去っていったスクナビコナとは対照的です。

また、『祟神天皇記』によれば、自分の子孫を神主として祀らなければ疫病をもたらすと祟神天皇を脅す場面があります。

病気を治して回ったスクナビコナとは逆に、自分の利益のためなら疫病をもたらすことをいとわないオオモノヌシは、どこか現世的で欲深く、人間臭いところがあります。

神産巣日神との関係｜母として大国主を支えた存在

神産巣日神(カミムスビノカミ)は、スクナビコナにとって自らを生んだ母親とも呼べる存在です。

カミムスビは高天原に現れた3神のうちの1柱で、女性的な性質を帯び、出雲の国（地上）にまつわるエピソードを持っています。

オオクニヌシの国づくりをサポートするためにスクナビコナを送り、出自をあやしむオオクニヌシに「確かに私の子だ」と答える場面は有名です。

物質を生み出す生成神であるカミムスビは、穀物を司る神としての側面を色濃く持っています。

そこから、豊穣の神、地母神といった農耕の神として祀られています。

息子であるスクナビコナもまた穀物神として祀られることもあり、母子ともに物質的な豊かさをもたらす存在として人々の体を育み、癒し、建国に貢献したと言えるでしょう。

大己貴命との関係｜共に薬を司る神として医薬を広めた仲間

大己貴命(オオアナムチノミコト)とは、オオクニヌシの青年期の別名であり、スクナビコナとともに医療を広めた神として知られています。

前述した、因幡の白兎を助けたのもオオアナムチとしてのエピソードです。

オオアナムチは、スクナビコナと並んで日本の薬祖神とされており、共に医薬を広めた2柱として『古事記』などに記述があります。

オオクニヌシの項目で述べた、スクナビコナと共に医療の力をもたらしながら日本全国を回ったエピソードも、オオアナムチとしての側面が出ている場面でしょう。

スクナビコナと共にオオアナムチを祀る薬祖神社も現存し、無病息災や病気平癒などのご利益があるとされています。

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少彦名命のご利益、祀られている主な神社

スクナビコナは、オオクニヌシと共に日本各地を回り、温泉を開いたり薬や医療を伝えたり、酒造を教えたりしました。

病気を治し、人々や自然を癒しながら国土を豊かに栄えさせるための知恵を広めたのです。

このことから、心身の健康を促進し、土地を育み、人々を繫栄させるご利益を持つと考えられています。

また、小さな船で海を渡ってやって来たことから、航海の守り神ともされています。

少彦名命が祀られている主な神社

少彦名神社（大阪府大阪市）

少彦名神社は、その名の通りスクナビコナを日本医薬の祖神として祀っています。

数多くの製薬会社や漢方薬店が軒を連ねる薬の町である道修町(どしょうまち)にあり、
11月を除く毎月23日には「献湯祭」という神事を行っています。

これは、煎じる・溶かして飲むなど、薬と関わりの深いお湯を神に奉納することで、人々の健康や薬品業界の繁栄を祈るものとなっています。

一粒万倍日には「米粒御朱印」を授与しており、農耕ともゆかりの深い神社です。

酒列磯前神社（茨城県ひたちなか市）

御祭神としてスクナビコナ、配祀神としてオオナモチ（オオクニヌシの別名）をあわせて祀っているのが酒列磯前神社です。

『文徳天皇実録』によると、一度は国を去ったスクナビコナが再び現れたのが常陸の国であり、それをもって現在のひたちなか市磯崎町に神社が創建されたのだとか。

また、同時期に建てられた大洗磯前神社とは2社でひとつの兄弟神社とされています。

酒と名のつくとおり酒造や温泉の神様として参拝されるほか、海上安全の神様としても親しまれており、毎年1月には磯崎漁業協同組合により大漁祈願祭が行われています。

北海道神宮（北海道札幌市）

北海道神宮は、国土経営・医薬・酒造の神様としてスクナビコナを祀っているほか、北海道の国土の神様である大国魂神(オオクニタマノカミ)、国土繁栄の神である大那牟遅神(オオナムチノカミ)とあわせた3柱が鎮斎されています。

かつては札幌神社と呼ばれていましたが、のちに明治天皇も祀られ、現在の北海道神宮の名前となります。

北海道の土地の開拓を祈願して建立された神社です。

毎年6月15日には「札幌まつり」を開催しており、祭囃子と共に夏の訪れを告げる行事となっています。

粟嶋神社（熊本県宇土市）

スクナビコナを「粟嶋大明神」として祀っているのが粟嶋神社です。

親切で泊めたひとりの僧侶の正体が、実はスクナビコナであると知った信心深い老夫婦が、小さな祠を建てたことが始まりとされています。

縦・横わずか30センチほどの日本一小さな鳥居があり、農作業で体の不調に苦しんでいた人々がここをくぐると痛みが和らいだという言い伝えがあります。

医療の祖神、農耕の神様としてスクナビコナを祀るこの神社では、安産祈願や厄除け、病気平癒などの御祈願を行っています。

少彦名命の祝詞とは？｜内容や効果

スクナビコナの祝詞は、疫病や病魔を鎮め、体の健康を保つようにお願いするような内容となっています。

また、伝統的な祝詞は、多くの場合口伝や神社の教義に基づいて伝えられます。

下に紹介する祝詞は一般的に知られる形式を参考に作成したもので、特定の資料から引用されたものではありません。

もっと長さのある祝詞を献上する神社もあります。

疫病の流行や食糧不足からくる病や痛みに苦しんでいたかつての人々にとって、土地に豊かさをもたらし、温泉や医薬で癒してくれるスクナビコナの祝詞には切実な思いが込められていたのでしょう。

病気を和らげる効果のほかに、健康や出産の感謝を伝える意味も持っています。

少彦名命に守られている人の特徴

スクナビコナに守られている人の特徴には、どのようなものがあるでしょう？

以下に見ていきましょう。

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【まとめ】いまも人々の生活を潤す知識を与えてくれた、小さな巨匠

オオクニヌシの補佐役に徹し、人々の体を癒しながら土地を豊かに育てる手伝いをしたスクナビコナは、小さな体に似合わない、大きな恩恵を残してくれたのです。

日本の各所に湧き出る温泉、おいしい地酒、多種多様な薬など、私たちの日々の生活に密接にかかわっている恵みを、感謝しながら受け取ってみてくださいね。

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