豊玉姫(トヨタマヒメ)とは？神話や家系図を交えわかりやすく解説

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【日本の神様一覧】日本を作った神々を神話エピソードとともに紹介！日本を作った神様たちを知っていますか？古事記などの日本神話を元に神様の名前やエピソードを紹介します。ご利益の一覧もありますよ♪...

浦島太郎の乙姫のモデルとされる、豊玉姫(トヨタマヒメ)とは？

豊玉姫(トヨタマヒメ)は、日本神話に登場する美しい海の女神です。

海神・綿津見(ワタツミ)の娘で、天孫ニニギノミコトの息子である火遠理命(ホオリノミコト)、別名・山幸彦(ヤマサチヒコ)と出会い、やがて夫婦となることで知られています。

実は初代天皇、神武天皇のお祖母さんにあたる女神でもある豊玉姫。

この記事では、主に古事記をもとに、豊玉姫の神話をひも解きながら、その魅力を深堀りしていきます。

豊玉姫は【海の女神】他にも多くのご利益がある

豊玉姫(トヨタマヒメ)は、海の神様である綿津見(ワタツミ)の娘で、日本神話における「海のプリンセス」です。

海の深い場所、いわゆる「龍宮城」に住んでいると言われています。

海の女神として、海の豊かさや神秘、そして自然の力強さを象徴する存在です。

そのため、安産や漁業・航海安全のご利益があるとされています。

豊玉姫の物語で特に有名なのは、山幸彦と恋に落ちたときのエピソード。

夫となる山幸彦(ヤマサチヒコ)は、アマテラスの孫です。

もともと天にいたニニギノミコトと、地上にいた神の娘であるコノハナサクヤヒメの間に生まれた山幸彦は、天と地の両方の神の血を引きます。

そんな山幸彦と夫婦となった豊玉姫は、天と地と海を繋ぐ存在であったと考えられます。

豊玉姫の家系図丨初代天皇である神武天皇のお祖母さん

豊玉姫は、海の神・綿津見(ワタツミ)の娘で、妹に玉依姫(タマヨリヒメ)がいます。

綿津見は、イザナギが黄泉の国から戻り禊ぎを行った際に生まれた、海そのものを象徴する神様です。

豊玉姫は、天孫であるニニギノミコトの息子、火遠理命(ホオリノミコト)、別名・山幸彦(ヤマサチヒコ)と夫婦になります。

2人は、山幸彦が海の宮殿を訪れた際に出会い、互いに一目惚れして結ばれました。

仲睦まじく3年の月日をともにした2人ですが、出産時に本来の姿を山幸彦に見られてしまった豊玉姫は、それを恥じて赤子を残し海へ帰ります。

その代わりに、妹の玉依姫を乳母として地上に遣わしました。

ウガヤフキアエズと名付けられた子どもは成長した後、玉依姫と夫婦となります。

ウガヤフキアエズと玉依姫の間に生まれた子が初代天皇である神武天皇です。

豊玉姫は、海の神としてだけでなく、日本の皇室の起源に深く関わる神様なのです。

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正体はワニだった？日本神話における海の神秘を象徴する存在

豊玉姫の神話の中で特に興味深いのが、彼女の正体が実は「ワニ」であるとされる部分です。

ただし、ここで言うワニとは、現代の爬虫類ではなく、古代日本で海に住む大きな生物を指し、海竜や巨大な魚のような神秘的な存在を表しています。

豊玉姫は山幸彦と結ばれ子どもを授かりますが、出産時に「わたしの姿を決して覗かないで」と頼みました。

しかし、山幸彦はその約束を破り、出産中の大きな「ワニ」のような姿をした彼女の本来の姿を見てしまいます。

見られてしまったことを恥じた豊玉姫は、赤子を残して海へと帰ってしまいました。

しかし、妻としての愛、母としての愛を忘れられず、妹の玉依姫を地上に送り、赤子を育てるよう託します。

 
豊玉姫とは神秘的な海そのものを象徴する存在であり、山幸彦との逸話は日本神話における自然への畏敬の念を感じさせるエピソードとも言えるでしょう。

豊玉姫の別名について【豊玉毘売・豊玉毘賣命】他

豊玉姫には、いくつかの別名があり、それぞれの名前に込められた意味や背景があります。

• 豊玉毘売(トヨタマヒメ)：古事記での表記
• 豊玉毘売命(トヨタマヒメノミコト)：古事記での表記
• 豊玉姫(トヨタマヒメ)：日本書紀での表記
• 和多都弥豊玉比売命(ワタヅミトヨタマヒメノミコト)：綿津見の娘であることから。
• 龍姫大神(タツヒメノオオカミ)： 住吉神社内の龍神社にて使われている。
• 乙姫(オトヒメ)：浦島太郎に登場する乙姫は豊玉姫がモデルだという説がある。

これらの別名からも分かるように、豊玉姫は海や自然と深い関わりを持つ神格として、日本神話において特別な存在とされています。

山幸彦や瀬織津姫など、豊玉姫と他の神様との関係

山幸彦との関係丨会えなくても続く深い愛の絆

山幸彦(やまさちひこ)は、兄・海幸彦(うみさちひこ)の大切な釣り針を失くしてしまい、それを探すために海の世界へと向かいます。

そこで出会ったのが豊玉姫で、2人は一目で恋に落ち、結婚しました。

海での生活が3年ほど過ぎたころ、山幸彦は釣り針を探しに海の世界にきたことを思い出します。

そこで綿津見に相談すると、釣り針はすぐに見つかり、山幸彦は地上へ帰ることを決めました。

その後、身籠もっていた豊玉姫は、出産のために山幸彦のいる地上へ向かいます。

豊玉姫は出産の際、「本来の姿に戻るから覗かないで」とお願いしますが、山幸彦は約束を破って彼女の姿を覗いてしまいました。

本来の姿を見られてしまった豊玉姫は、恥じて海へ帰り、地上とのつながりを断ってしまいます。

それでも、豊玉姫は赤子への深い愛情と山幸彦を慕う気持ちを忘れられません。

そこで、赤子を育てるために妹である玉依姫を地上に遣わせるとともに、自分の気持ちを綴った歌を山幸彦に送りました。

会うことはないままでしたが、山幸彦も歌を返し、2人の愛の絆はずっと続いていたようです。

瀬織津姫との関係丨水や海の女神として似た役割をもつ

瀬織津姫(セオリツヒメ)は、川や水に関する神として知られていますが、古事記や日本書紀には登場しません。

その代わりに、神道の「大祓詞」や古代文書「ホツマツタエ」に登場する、謎めいた存在です。

瀬織津姫は主に清めや浄化の神で、水の神秘的な力を象徴する存在として、大切な役割を果たしています。

特に神社では、祓いの儀式に関わる神としても知られています。

瀬織津姫は水の流れを司る、河川や水源に関連した神であることから、海とも何らかの繋がりがあると考えられます。

直接的な神話上のつながりは明確ではありませんが、豊玉姫と瀬織津姫は共に「水」や「自然」を象徴する神々です。

豊玉姫は海の神として海の力や神秘を象徴し、瀬織津姫は水そのものの浄化の力を象徴しています。

どちらも自然の大きな力を司り、水や海の恵みをもたらす存在であるため、関連付けられたり、同一視されたりすることがあるようです。

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龍神との関係丨豊玉姫の本来の姿は龍神？

豊玉姫の本来の姿は「ワニ」と伝えられていますが、実は龍に似ているという説もあり、豊玉姫は龍神そのものの象徴という考え方もあります。

龍神は、海や川、湖を司る神様で、天と地、海を繋ぐ力を持つとされています。

同じように、海の神様の娘である豊玉姫は、天から降りてきたニニギノミコトと、地の神であるコノハナサクヤヒメの子である山幸彦と結婚したことで天と地、海を繋ぐ存在です。

このように、龍神と豊玉姫はともに自然のバランスを保つ大事な存在として、天と地、海をつなぐ架け橋といえるでしょう。

龍神の1つの側面が豊玉姫であり、豊玉姫の1つの側面が龍神なのかもしれませんね。

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弁財天との関係丨龍としての力を持ち、同一視されることも

豊玉姫と弁財天は、どちらも水に関連する神様で、いくつかの共通点があります。

豊玉姫は海の神で、海の恵みをもたらす存在。

弁財天も水の神として浄化や豊かさを象徴し、特に音楽や芸術、商売繁盛を守る神として信仰されています。

これが、豊玉姫が持つ「自然の力」や「生命力」と共鳴し、弁財天の神格とも繋がっていると考えられます。

さらに、豊玉姫が龍神としても知られていることから、龍の力を持つ弁財天と同一視されることも。

2柱とも、自然の力や生命力を象徴しており、人々に豊かな恵みを与える神として似た性質を持つと言えるでしょう。

また、弁財天は知恵や芸術の神としても有名ですが、豊玉姫も海の神として自然の力を操り、繁栄をもたらす役割を持っているため、経済や商売繁盛にも関連が見られます。

海や水に関連する場所で信仰されることが多い両神は、自然の恵みを求める人々にとって、昔から大切な存在だったと考えられます。

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豊玉姫(トヨタマヒメ)のご利益とは

豊玉姫は、海や水を司る神様で、自然のエネルギーや生命力の象徴です。

主なご利益としては、心と体をリフレッシュし、悪いものを取り除く浄化の力、健康や活力を高める力があります。

また、農業や漁業の豊作を願う神様でもあり、家庭の安全や平和を守る役割も担っています。

水難除けの神としても有名で、山幸彦と結ばれたエピソードから縁結びのご利益もあるともされています。

さらに、安産の守護神としても信仰されており、安産を祈願する際に頼りになる存在です。

自然の恵みをもたらす豊玉姫は、生活に根差した多くの場面で私たちを支えてくれている神様です。

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豊玉姫が祀られている神社

豊玉姫神社（佐賀県嬉野市）

豊玉姫神社（佐賀県嬉野市）は、嬉野温泉近くに位置し、美肌や安産などのご利益がある神社として知られています。

この神社は、肌の病に効能があるとされる「なまず様」がお祀りされている他、安産祈願や家内安全、商売繁盛など、多くのご利益が期待されています。

御朱印は「美肌祈願」のものが特に人気で、豊玉姫神社のシンボルが押されたデザインが特徴です。

また、美肌守りや安産守りなどのお札も授与されています。

温泉地にあるため、温泉と一緒に訪れることができるのも魅力で、広がる美しい庭園や神聖な雰囲気が楽しめますよ。

山中諏訪神社（山梨県山中湖村）

山中諏訪神社（山梨県山中湖村）は、豊玉姫を主祭神とする神社で、特に安産祈願で知られています。

豊玉姫は出産の神話で有名なため、妊婦や新婚女性が多く訪れるそうです。

毎年秋には「安産祭り」が開催され、夜祭のみこしを担ぐ女性には安産のご利益があるとか。

この祭りは全国的に知られ、子授けや子育て、縁結びを願う人々が集います。

また御神歌では、「諏訪の宮」のご神体である豊玉姫が、右龍と左龍の二頭の白龍に道を導かれた、と詠まれています。

神社周辺には観光名所も豊富で、参拝と観光を楽しむことができますよ。

和多都美神社（長崎県対馬市）

和多都美神社（長崎県対馬市）は、龍宮伝説が色濃く残る幻想的な神社です。

豊玉姫と彦火々出見尊（山幸彦）を主祭神としています。

神代の昔、豊玉姫の父である豊玉彦命（綿津見）がこの地に宮殿を建て「海宮（わたづみのみや）」と名付けました。

その後、この地は「夫姫（おとひめ）」と呼ばれるようになったと伝えられています。

周辺の夫姫山は、山全体が綿津見の御神体とされ、龍宮を思わせる神秘的な松「龍松」もあり、白蛇姿の豊玉姫が遊んでいたとされています。

また、豊玉姫命の墳墓と伝えられる夫婦岩や、健康や厄除けに効果がある槐の枝を使ったお守りも有名です。

鵜戸神宮（宮崎県日南市）

鵜戸神宮（宮崎県日南市）のご祭神は豊玉姫ではなく、彼女の息子ウガヤフキアエズですが、豊玉姫と深く関わりを感じられる神宮です。

神宮には「おちちいわ」と呼ばれる産屋の窟があり、豊玉姫が乳飲み子のために自分の乳を岩に貼り付け、子どもが元気に育つよう祈ったと伝えられています。

また、「おちちいわ」の石清水を使った神宮特製のあめ「おちちあめ」も授与されています。

さらに、境内には「亀石」があり、これは豊玉姫が海宮から地上へ移動する際に乗った亀が石になったものだそうです。

豊玉姫の真言(祝詞)とは？｜内容や効果

豊玉姫の公式な祝詞はありませんが、豊玉姫が山幸彦に送った歌を詠むことで、豊玉姫の深い愛を感じることができるかもしれません。

赤玉は 緒をさへ光れど 白玉の 君が装し 貴くありけり

（ 帰った海の珊瑚は、それを貫いた緒までも光るほど美しいですが、それにもまして、真珠のようなあなた様のお姿が気高く尊く思い出されます。）

また、豊玉姫は龍神ともされるので、龍神祝詞を唱えることで、豊玉姫に感謝の気持ちを伝えることができそうです。

ご利益目当てではなく、罪穢れの気持ちを手放して、感謝の気持ちで唱えることが大切です。

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豊玉姫に守られている人の特徴

ここでは、豊玉姫に守られている人の特徴を紹介します。

豊玉姫に守られている人は、自然との繋がりを大切にしていたり、家族やご縁を大切にしている人が多いと言われています。

・家族や友人との絆が深い、愛情豊かな人
豊玉姫は母としての強い愛情や家族を大切にする心を持っているので、豊玉姫の加護を受けている人は人とのご縁を大切にしている、愛情豊かなタイプが多いでしょう。

・自然が大好きで大切にしている人
豊玉姫は、水の神様であり、自然エネルギーの象徴です。
日々、自然に感謝しながら生活している人は、豊玉姫との繋がりを既に感じられているのではないでしょうか。

・水に関わる仕事をしている人
豊玉姫は海の女神であるため、水に関連するあらゆる活動において、人々の安全を願っています。
漁師や水産業に従事する人々は、豊玉姫の加護を信じることで、そのご加護を受けられるでしょう。

豊玉姫に守られている人々は、自然との調和や、愛する人々との絆を大切にする傾向があります。

また、穏やかな心を持ち、日々感謝の気持ちを忘れない人が多いでしょう。

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【まとめ】豊玉姫は天と地、海をつなぐ愛情深い初代天皇の祖母

天と地、そして海を繋ぐ豊玉姫は、自然の恵みを大切にし、それらに感謝することの大切さをわたしたちに教えてくれています。

よく考えてみると、わたしたちの身の回りのものは全て、元を辿れば自然から生まれたものばかりです。

そしてわたしたち人間もまた、自然から生まれた存在であり、自然そのものなのです。

そう考えると、自然を象徴する豊玉姫は、わたしたちのお母さんのような存在だと思えてきませんか？

豊玉姫にとって、わたしたちは我が子のような存在で、ずっと愛情を注いでくれているのかもしれませんね。

豊玉姫に想いを馳せることで、自然に対する愛しさはもちろん、自分自身の体や物に対しての愛しさ、目の前のご縁に対する感謝の気持ちを、改めて感じられるでしょう。

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