伊邪那美命(イザナミノミコト)とは？神話や家系図を交えわかりやすく解説

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【日本の神様一覧】日本を作った神々を神話エピソードとともに紹介！日本を作った神様たちを知っていますか？古事記などの日本神話を元に神様の名前やエピソードを紹介します。ご利益の一覧もありますよ♪...

多くの国土と神々を生んだ、伊邪那美命(イザナミノミコト)とは？

伊邪那美命(イザナミノミコト)は、多くの国土と神々を生んだ女神。

日本を形つくった最初の神々である「神世七代」(かみよななよ)の7代目、男女ペアの神様であるイザナギとイザナミの名前は、神話にあまり詳しくない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか？

伊邪那美命は【安産の神】他にも多くのご利益がある

イザナミは、イザナギの妻として神話の中で一番初めに出てくる夫婦の神様。

本州や四国、九州などからなる日本の国土の誕生となる「国生み」と、自然や文化の神様を誕生させた「神生み」で有名です。

イザナギとイザナミは、夫婦の神様として縁結びにもご利益があり、さらに多くの神様を生んでいることから、安産や子育ての神様として信仰されています。

イザナミのご利益は以下のようなものがあります。

• 安産・子育て
• 延命寿命・病気平癒・無病息災
• 縁結び・家内安全・夫婦円満
• 産業繁栄・豊作・大漁・事業成功・出世開運・商売繁盛
• 厄除け

最後にイザナミは、火の神を出産したときの火傷がもとで命を落としてしまい、死を体現する神様となりました。

伊邪那美命の家系図｜イザナギとともに国と多くの神を生んだ

イザナミは、日本を形づくった最初の神々「神世七代」の末子の神様です。

神様の男女の違いは、最初はハッキリしていなかったものの代を追うごとに明確になっていき、最後に現れたイザナギは完全な男性、イザナミは完全な女性の神でした。

この2柱の神様が結婚をし、石、山、木、風、海、穀物、火などの多くの神様を生み出していきます。

そして最後に火の神カグツチを産む際に、苦しんで出た尿や大便から生まれた神様もいるのだとか。

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伊邪那美命の国生み｜夫婦で淡路島をはじめ、日本列島を創造した

イザナミとイザナギは、共に日本を形づくり子孫を繁栄させた神様です。

当時まだ固まっていなかった日本の土地を整えるよう命じられ、その際に授かったのは宝石で飾られた天の沼矛(あめのぬぼこ)でした。

天と地とをつなぐ天の浮き橋から天の沼矛で海をかき回すと、その矛の先から落ちた水が積もり、オノコロ島（兵庫県の淡路島）ができました。

このオノコロ島をはじめ、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、大倭豊秋津島の八の島を生み出したことから国生みの神様と呼ばれるようになったのです。

その後、イザナミとイザナギの2柱は喜んで島に降り立ち、結婚のために大きな柱のある立派な宮殿を建設しました。

そして、それぞれ別の方向から柱を回って歩み寄り、結婚・出産をしたのでした。

伊邪那美命の別名について【伊邪那美・伊邪那美大神・伊邪那美神】他

伊邪那美命(イザナミノミコト)は、もともと伊邪那美神(イザナミノカミ)と呼ばれていました。

『古事記』では、何かしらの命令を受けた神様の呼び名が「神(カミ)」から「命(ミコト)」へと変化するのです。

イザナミには、次のような表記もあります。

• 伊弉冉：日本書紀での表記
• 伊邪那美：古事記での表記
• 伊耶那美：古事記での表記
• 伊弉弥：日本書紀での表記

イザナミは、「誘う(いざなう)」と女性を表す「ミ」からの神名で、結婚をして国生み・神生みを行い、男女が誘い合って交わることを意味します。

また、火の神を生んで命を落としたイザナミは黄泉の国の神となったことで黄泉津大神(ヨモツオオカミ)の名となります。

さらには黄泉の国での醜い姿を見てしまったイザナギを追いかけ、道敷大神(チシキノオオカミ)の名で呼ばれるようになりました。

伊邪那岐命や七福神の恵比寿など、伊邪那美命と他の神様との関係

伊邪那岐命との関係｜出会いをやり直した？！神生みのパートナー

イザナミと関係が深い神様に、伊邪那岐命(イザナギノミコト)がいます。

イザナギは、イザナミとともに日本を形づくり多くの神様を生んだ、イザナミの夫にあたる神様。

イザナギ・イザナミの2柱の神様は、出会いと結婚をするための柱と神殿を建築します。

そして、それぞれ別の方向から柱を回って歩み寄り結婚・出産をしたのですが、最初の子は体が弱くなんと骨が無かったのだとか。

この不運の理由を探るために高天原で天の神々を訪ね歩いたところ「出会い方に問題があった」と言われます。

七福神・恵比寿との関係｜イザナギとイザナミの間に生まれた初の子

福の神として知られている七福神の恵比寿は、イザナギとイザナミの最初の子として生まれた神様です。

出会いの際にイザナミが先に声をかけたことから生まれた、体が弱く骨の無い子と言われていますが、『古事記』には「わが生める子良くあらず」としか書かれていません。

神名ヒルコ（骨のない水蛭(ひる)のような子）と呼ばれ、葦舟で海に流されてしまいますが、その流された蛭子神が流れ着いたという伝説が日本各地に残っています。

後に七福神の恵比寿神と同一視され、海の恵みや豊かさと幸運をもたらすとされるきっかけとなりました。

また、ヒルコは日る子（太陽の子）であり、尊い日の御子であるがゆえに流されたという説もあります。

その説によると、日の御子を守り仕えたのがエビスであると言われています。

火之迦具土神(カグツチ)との関係｜親子で殺生が起きてしまうきっかけに

カグツチは母神であるイザナミが最後に生んだ火の神様です。

火の神であるがゆえ、生んだときにイザナミは大火傷を負い亡くなってしまいました。

それに嘆いたイザナギが、腰に差していた十拳剣（天之尾羽張(あめのおはばり)）でカグツチの首を切り落としてしまいます。

そしてこのとき、カグツチの血から岩石の神・火の神・雷神・水の神などの神が生まれ、カグツチ自身の体からも多くの山の神が生まれました。

カグツチは鍛冶の神、陶器の神、温泉を恵む神として祀られていて、火山が噴火した際の岩石や火・土などからそれらの繁栄へとつながっています。

また、金運向上、開運招福、鎮火・防火、火難除けにもご利益のある神様です。

八雷神(ヤクサノイカヅチガミ)との関係｜死後の世界へと渡ったイザナミを取り巻く8柱の神様

イザナミと関係がある神様に、死後の世界である黄泉の国の神・八雷神(ヤクサノイカヅチガミ)がいます。

火の神様を産んだときの火傷で命を落としたイザナミは、八雷神が治める黄泉の国へ行きました。

愛する妻を忘れられなかったイザナギは黄泉の国まで逢いに行き、帰りたいと考えたイザナミは八雷神と相談することに。

「相談している間、決して私を見ないでください｣というイザナミとの約束を破ったイザナギが見たのは、腐敗してうじにたかられ、八雷神に囲まれた妻の姿。

変わり果てた妻を受け入れられずに逃げ出したイザナギをイザナミは追いますが、結局2柱は別れることになります。

なお八雷神は、頭に大雷神・胸に火雷神・左手に若雷神・右手に土雷神・腹に黒雷神・陰部に裂雷神・左足に鳴雷神・左足に伏雷神を持ち、雷の起こす様々な現象から連想されています。

菊理媛(ククリヒメ)との関係｜イザナギとイザナミの夫婦仲を括ったイタコの先祖

イザナミと関係の深い神様として、美しく聡明な神様である菊理媛(ククリヒメ)がいます。

ククリヒメの「くくり」は「括る」とされることからも、縁結びに関連の深い神様です。

黄泉の国ではイザナギとイザナミの言い争いを仲介し、円満離婚に導いたのだとか。

このようにイザナギとイザナミの仲をとりもったことなどから、ククリヒメは縁結び、縁切りの神だと言われています。

また、死を体現するイザナミと生を体現するイザナギの言葉を聞いた、唯一の神様ククリヒメ。

それぞれの言葉を聞き、調和を図るククリヒメは、死者と生者を結ぶ神様、神や死者の言葉を人々に伝えるイタコの先祖の神様とも言われています。

伊邪那美命(イザナミノミコト)のご利益とは

イザナミは、多くの神様を生んだ神生みから、安産・子育てはもちろん、産業繁栄や出世開運にもご利益のある神様です。

イザナギは、妻が死に至るきっかけとなった我が子カグツチに剣を向け、
黄泉の国へ去ったイザナミを追いかけました。

このように愛し合った2柱の姿から、縁結び・家内安全・夫婦円満のご利益もあります。

伊邪那美命が祀られている神社

花窟神社（三重県熊野市）

花窟(はなのいわや)神社は、『日本書紀』にて、カグツチを産んで亡くなったイザナミが葬られた場所として記された神社。

参道を入り、カグツチ、イザナミ、その奥に花窟神社御神体が祀られています。

花の窟では年に2回の大祭が行われ、高さ45メートルのイザナミの御神体である巨石から境内南隅の松の御神木まで、約170メートルの大綱を渡します。

この「御綱掛け神事」で使われる大網は日本一の長さだとか。

7月中旬には、自然に生えたクマタケランが花を咲かせ、ビアガーデンや流しソーメン、クワガタやカブト虫の抽選会でにぎわう夏祭りが開催されます。

三峯神社（埼玉県秩父市）

三峯(みつみね)神社の由緒は古く、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がイザナギ・イザナミを祀ったのが始まりと伝えられています。

ヤマトタケルを道案内したオオカミを神の使いとし、火難防止や盗難防止のご利益があります。

季節のお祭りでは、元旦祈願祭や節分祭（ごもっとも神事）があります。

特にこのごもっとも神事は珍しく、節分の豆まきと共に「ごもっともさま」と叫びながらすりこぎ棒を突き出し、五穀豊穣・夫婦和合・子宝・家内安全・悪霊退散を祈ります。

佐太神社（島根県松江市）

出雲国三大社の内のひとつとして称えられる佐太(さだ)神社は、八百万の神様が集う神社。

11月20日から25日までの八百万の神々が集う神在祭が有名で、これは旧暦10月（新暦11月）に亡くなったイザナミをしのんだことがきっかけになった祭です。

佐太神社は、3つ並ぶ三殿並立という全国的にも珍しい形式の社殿で、本殿に向かって建つ西社は縁結びと安産、背を向けている東社は縁切りと長寿のご利益があるとされます。

おのころ島神社（兵庫県南あわじ市）

おのころ島神社は、「国生み神話」に登場する「おのころ島」伝承地のひとつとされています。

古代の御原入江の中にあり、イザナギとイザナミの国生みの聖地として伝えられる丘にあります。

おのころ島神社には大きな鳥居があり、その高さは21.7メートル。

日本三大鳥居のひとつにも数えられています。

また、周辺の葦原国(あしはらこく)はイザナギ・イザナミがつくった島として、天浮橋(あめのうきはし)は2柱が降りたった場所としての神話が残っています。

伊邪那美命のお札の祀り方(飾り方)

神棚にお札を祀るとき、複数の神様のお札があると並べる順番にも迷いますよね。

中央に主祭神、向かって右手に氏神、左手に崇敬神と並べるのが基本ですが、必ずしも守らなければならない規則はありません。

手を合わせる際に、あなたの心が温かくなるような感覚があれば、その並べ方を優先するといいでしょう。

伊邪那美命に守られている人の特徴

日本を形づくった国生み、多くの神様を誕生させた神生みの神であるイザナミ。

そんなイザナミに守られている人の特徴を見ていきましょう。

• 自らお手本を示す行動力のあるリーダー
  国土や神々を産んだイザナミに守られている人は、まとめ役・上に立つ人しての器があり、高い行動力があります。
   
• 周りの状況を把握し、決断を下す能力に長けたタイプ
  周囲の人のことや環境・状況から判断する能力が高いのも、イザナミに守られている人の特徴です。
  難しいことでも地に足のついた方法で成し遂げていくでしょう。
   
• ものごとや人々を管理する能力にかけては右に出る者はいない
  万物をつくったイザナミのように、目標のために誠実で着々と物事を進めていくのが得意な人が多いでしょう。
   

恋人はもちろん深く付き合える親友やビジネスパートナーなどにもご縁が訪れるよう、イザナミはあなたを見守ってくれていますよ。

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【まとめ】伊邪那美命は多くの神様を生んだ縁結びと安産の神様

イザナミは、多くの国土と神々を生んだ女神。

日本の成り立ちにも深く関係し、『古事記』でも出現・結婚・出産、そして死後の様子に至るまで物語られているほど有名な神様です。

出会ってからずっと夫を愛し愛され続けていたイザナミには、縁結び・家内安全・夫婦円満のご利益が。

また、多くの神様を生んだ神生みから、安産・子育てはもちろん産業繁栄や出世開運にもご利益があります。

イザナミは火の神を出産したときの火傷がもとで命を落としてしまい、神様の死が初めて語られ「死」を体現する神様となりました。

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