事代主神(コトシロヌシノカミ)とは？神話や家系図を交えわかりやすく解説

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あなたにとって「神様」はどんな存在ですか？

この記事では、日本の神話に記されたエピソードをたどりながら、大国主神(オオクニヌシノカミ)について解説していきます。
あなたをずっと見守り導いてくれている神様がわかる、守護神診断システムもありますよ♪

「神様を知る」ことは「自分を知る」ための第一歩となるかもしれません。

この記事が、あなたの人生をより豊かに楽しむためのひとつのレシピとなれば嬉しいです♪

たま

事代主神様って、あまり聞いたことがないけれど、いつ登場する神様なの？

やたくろー

事代主神様は、あの国造り・国譲りで有名な大国主命様の息子なんだぜ！
国譲りのときに事代主神様がした活躍をしっかり教えてやるから任せとけ！

ともみん

たまさんは、七福神の恵比寿様を知っているかな？
実は、事代主神様は恵比寿様としても知られているんだよ♪

たま

えー、恵比寿様はもちろん知っているわ！
どうして事代主神様が恵比寿様となったのかも、ぜひ詳しく知りたいわね。

【日本の神様一覧】日本を作った神々を神話エピソードとともに紹介！日本を作った神様たちを知っていますか？古事記などの日本神話を元に神様の名前やエピソードを紹介します。ご利益の一覧もありますよ♪...

Contents

神の意思を告げる役割を持つ、事代主神(コトシロヌシノカミ)とは？
大国主命や恵比寿など、事代主神と他の神様との関係
事代主神のご利益とは
- 事代主神が祀られている神社
- 事代主神の真言(祝詞)とは？｜内容や効果
事代主神に守られている人の特徴
【守護神診断】あなたをずっと見守ってくれている日本の神様は？
【守護神診断】あなたを見守っている日本の神様は？
【まとめ】神託を司り、皇室のルーツである事代主神

神の意思を告げる役割を持つ、事代主神(コトシロヌシノカミ)とは？

事代主神(コトシロヌシノカミ)は、神のお告げを司る神です。

因幡の白兎で有名な大国主命(オオクニヌシノミコト)の息子で、国譲りの立役者でもあります。

たま

国譲りっていうのは、大国主命様が治めていた葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)を、天照大御神様に譲ったことよね。

やたくろー

おう、よく覚えていたな！
葦原の中つ国は、もともと天照大御神様の生みの親である伊邪那岐命(イザナギノミコト)様が造ったから、天照大御神様は自分の子孫に治めさせたいと思ったんだな。

七福神の恵比寿としても知られる事代主神。

そのご利益はもちろん、他の神との関わりや家系図などを主に古事記をもとに詳しく紹介します。

事代主神は【神託の神】他にも多くのご利益がある

事代主神(コトシロヌシノカミ)は、神の意思を伝える存在として古事記では描かれています。

父親である大国主命(オオクニヌシノミコト)は、治めていた葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)を譲るように天照大御神(アマテラスオオミカミ)に言われました。

天照大御神の使者である武御雷神(タケミカヅチノカミ)と天鳥船神(アメノトリフネノカミ)に「国を、天津神の御子に譲るかどうか」と問われた大国主命は、「長男である事代主神が代わりの返事をする」と答えます。

そこで、使者は出雲の三保ヶ崎(みほがさき)に釣りに行っていた事代主神を訪ね、改めて国を譲るかと尋ねました。

事代主神が「葦原の中つ国は天津神の御子に譲りましょう」と答えたことで、国譲りが行われることになりました。

また、このとき事代主神が釣りをしていたことから、漁業の神としても信仰されています。

たま

どうして大国主命様は自分で返事をしなかったのかしら？

やたくろー

それは事代主神様が、神の意思を知り、代理でその言葉を伝える役割を持っているからなんだ！

ともみん

事代主神様のお名前は、「事を知る」や「言(こと)を知る」に由来するとも言われているよ♪

事代主神の家系図丨大国主命の長男で、皇室のルーツ

事代主神は、葦原の中つ国を造った大国主命(オオクニヌシノミコト)の息子です。

非常にモテたと言われる大国主命は、なんと180人以上の子どもがいたの。
その中で、神屋楯比売命(カミヤタテヒメノミコト)との間に生まれた事代主神は長子であるとされています。

事代主神には、理想の妻を求めて旅をしたという伝説があり、その結果、複数の妻を持ちました。

なかでも、特に有名なのが玉櫛姫(タマクシヒメ)です。

美しさと知恵を兼ね備えた玉櫛姫に心を奪われた事代主神は、玉櫛姫との結婚を決意します。

玉櫛姫との間に生まれた媛蹈鞴五十鈴媛命(ヒメタタライスズヒメノミコト)は、後に初代天皇である神武天皇の皇后となりました。

これにより、事代主神の血筋が日本の皇室のルーツとなったとされています。

やたくろー

大国主命様については下の記事で紹介しているから、ぜひ読んでくれよな！

大国主命(オオクニヌシノミコト)とは？神話や家系図を交えわかりやすく解説国造り、国譲りの神として有名な大国主命(オオクニヌシノミコト)。祀られている神社やご利益、守られている人などについて解説します。...

語り継がれる、事代主神と鶏の思わぬ因縁

複数の妻をもつ事代主神ですが、それぞれの妻をきちんと愛していました。

妻との有名なエピソードとして、玉櫛姫との逸話を紹介します。

美保（現在の島根県松江市）に住んでいた玉櫛姫を毎晩、船で訪ねては翌朝に自分の住む対岸の揖屋（現在の島根県出雲市）に戻って行った事代主神。

ある晩、夜明け前に鶏が誤って鳴いてしまいます。

慌てた事代主神は、急いで帰ろうとしたため、船をこぐ道具を置き忘れてしまいました。

そこで、仕方なく手足で漕いでいると、足をワニに噛まれてしまったのです。

この出来事がきっかけで、事代主神は鶏を忌み嫌うようになり、美保や揖屋では鶏肉や卵を食べることがご法度になったと伝えられています。

また、七福神の恵比寿が片足を曲げて座る姿には、このエピソードが影響しているとも言われています。

事代主神の別名について【事代主・事代主神命・事代主大神】他

事代主神には複数の別名があります。

それらの名は、地域や神社ごとの信仰の特色を映し出しており、大切に受け継がれてきました。

ここではその一部を紹介します。

八重事代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)

古事記や日本書紀などの古代文献に記される事代主神の表記のひとつ。

八重言代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)

古事記での表記。言霊信仰における神格が表されている。

積羽八重事代主命(ツミハヤエコトシロヌシノミコト)

静岡県の三嶋大社での別名として有名。他の特定地域や神社でも用いられる。

辞代主神(コトシロヌシノカミ)

特定地域や神社で用いられる名称。言葉（辞）を司る神として示している。

恵比寿大神(エビスオオカミ)

七福神の1柱としても知られる。漁業や商売繁盛の神として信仰されている。

大国主命や恵比寿など、事代主神と他の神様との関係

大国主命との関係丨息子を信頼し、国譲りの返事を委ねる

事代主神の父である大国主命は、スサノオミコトに命じられて葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)を治めるべく、国造りに奮闘しました。

少名毘古那神(スクナビコナノカミ)や、大物主神(オオモノヌシノカミ)のサポートを受け、なんとか国造りを成し遂げますが、天照大御神より、国を譲るように言われます。

国を譲るかの決断は、神の意思に委ねようと考えた大国主命。

そこで、神の意思を受け取ることができる事代主神に返事を任せます。

そして、神託をもとに事代主神が「国を譲る」という回答をすると、その意見に従いました。

さらに「事代主神が先頭に立てば私の180人の子供たちも従って天津神に背かないだろう」という言葉から、大国主命と事代主神は強い信頼関係で結ばれていたことが伺えます。

ともみん

大国主命の子どもの数は、諸説あって181人とも言われています。

たま

いずれにせよすごい数…！

やたくろー

ちなみに、このとき大国主命様は「国を譲る代わりに、立派な御殿を建ててほしい」とも伝えていて、その後に建てられた御殿が、現在の出雲大社だとされているんだぜ！

阿波咩命との関係丨他の妻への嫉妬が引き起こした天上山の大噴火

阿波咩命(アワノメノミコト)は、事代主神の8柱いる妻のひとりで、伊豆諸島にある神津島の神社で一緒に祀られています。

妻の中でも特に格が高い本后である阿波咩命。

それにも関わらず、格の低い後后である伊古奈比咩命(イコナヒメノミコト)に冠位が授けられたため、阿波咩命は強い不満を抱きました。

『続日本後記』によると、この不満が引き金になり天上山で大噴火が起こったとか。

たま

神様の嫉妬はスケールが違うわね…。

その後、阿波咩命とその御子神である物忌奈命(モノイミナノミコト)も冠位が授けられました。

ほかにも、阿波咩命が嫉妬心から他の妻たちの宝石を集めたという伝説が長浜海岸に残されています。

その宝石は、五色の玉石として海岸に残っており、地元の人々はその石を持ち出すことが神罰を招くと信じられ、大切に守られているそうです。

この伝説にちなんで、今でも長浜海岸では、石を持ち帰ると神罰がくだると言われています。

建御名方神との関係丨国譲りに抵抗した怖いもの知らずな兄弟神

大国主命を父に持つ建御名方神(タケミナカタノカミ)は、事代主神の弟神です。

建御名方神は、武力や戦いを象徴する神として知られ、大国主命が国を譲ると決めたあとも抵抗を続け、使者である武甕槌神(タケミカヅチノカミ)に戦いを挑みました。

結果として建御名方神は敗北し、信濃国（現在の長野県）に逃れたと伝えられています。

ともみん

建御名方神様は長野県の諏訪大社の上社本宮祭神として祀られているんだよ！

たま

戦いに負けたのに、軍神として信仰されているのね。

モー

戦に負けた経験を、勝つための知恵やエネルギーにして人々に与えてくれているのじゃな。

この戦いに勝った神様たちが祀られている香取神宮や鹿島神宮に並んで、戦いに負けた建御名方神様も軍神として広く信仰されているのです。

七福神の恵比寿との関係丨事代主神を視覚化した存在

七福神の恵比寿は、商売繁盛と漁業を司る存在として知られています。

神託の神という印象が強い事代主神ですが、実は漁業の神としての側面も持ちます。

父である大国主命が、天照大御神の使いから国を譲るか問われた時にも、事代主神は釣りをしていました。

このように、恵比寿と事代主神は同じご利益を持つことから、事代主神を視覚化した存在が恵比寿だと考えられるようになりました。

もともと、日本の神道では異なる神が同じ役割を持つことで、同一視されることがよくあります。

たとえば、同じく七福神として知られる大黒天は、事代主神の父である大国主命と同一視されています。

大黒天はインドの神ですが、大国主命と同じく商売繁盛というご利益を持つことから、同じ存在として扱われるようになりました。

やたくろー

大黒天様については、この記事で紹介しているから見てくれよな！

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事代主神のご利益とは

事代主神は、商売繁盛や豊漁の神として広く信仰されています。

「事を知る」という名前からもわかるように、神の意思を伝える託宣の神という役割も持ちます。

国譲り神話で釣りをしていたことから、漁業関係者にとっては豊漁の守護神として重要な存在です。

さらに、家庭の平和や健康を司る神でもあり、家内安全や無病息災を願う人々に信じられてきました。

また、縁結びの神としての一面もあります。

このように事代主神は、商売繁盛、豊漁、家内安全、無病息災、縁結びといった幅広いご利益を持つ神として、人々から親しまれています。

事代主神が祀られている神社

事代主神社（長崎県南松浦郡）

長崎県南松浦郡にある事代主神社は、事代主神を主祭神に、大国主命や素盞嗚神、琴平神をお祀りする歴史深い神社です。

もともとは「恵比須神社」と呼ばれていましたが、明治3年（1870年）に現在の名前に改められました。

秋の例大祭では、400年以上続く伝統芸能「上五島神楽」が奉納されます。

畳2枚分ほどの舞台で、太鼓や笛の音色に合わせて舞う姿は圧巻です。

地域の誇りとして国の選択無形民俗文化財にも指定されています。

さらに、神社には江戸時代の漁場や地名の由来を記した「魚目浦絵図」という貴重な資料も保管されています。

地元の氏神様として、また漁業の守護神としても信仰のある神社です。

長田神社（兵庫県神戸市）

兵庫県神戸市にある長田神社は、商売繁盛や開運招福のご利益で有名なパワースポットです。

「えびす様」として、商業や産業の守護神として長く信仰を集めてきました。

境内には、樹齢数百年の御神木がそびえ、自然のエネルギーを感じられる癒やしの場所です。

また、赤えいが描かれた絵馬は病気平癒、特に痔の治癒に効果があるとされ、ユニークな伝承が地域に根付いています。

地元の人々から「長田さん」と親しまれるこの神社は、厄除けや合格祈願でも多くの参拝者が訪れます。

皇室にゆかりのある菊の紋入り御朱印や、節分など行事限定の特別な御朱印も魅力のひとつです。

美保神社（島根県松江市）

島根県松江市にある美保神社は、全国に3000以上ある恵比寿神社の総本宮で、海上安全・大漁満足・商売繁盛のご利益があるとされています。

境内には、釣り竿に絵馬が吊るされた光景が広がり、訪れる人々を楽しませています。

神社の拝殿は、壁の代わりに白い幕で囲まれており、その開放的な構造が特徴的です。

祭りの時期には、神聖な空間を身近に感じることができます。

毎月7日の「えびす祭り」では、6色から選べる切り絵御朱印も人気です。

出雲大社と組み合わせて参拝する「えびすだいこく両参り」も有名で、両方をお参りすることで、さらに良いご縁を結べるとされています。

今宮戎神社（大阪府大阪市）

大阪府大阪市にある今宮戎神社は、商売繁盛の神様として大阪の商業文化に寄り添い続けてきた歴史ある神社です。

「えべっさん」の愛称で親しまれ、特に商人たちから厚い信仰を集めています。

境内では、商売繁盛や金運上昇、大漁祈願を願うお守りがそろい、なかでも「福小判」や「福徳守」がセットになった三体神札が人気です。

毎年1月9日から11日に行われる「十日戎」では、約100万人もの参拝者が訪れます。

この行事では、福を呼ぶ「福笹」が配られ、吉兆と呼ばれる飾りを付けることで商売繁盛や幸運を祈ります。

扇や米俵、小槌など、それぞれが象徴する意味にも注目したいところです。

大阪を代表するこの神社は、商売繁盛を願う多くの人にとって欠かせないパワースポットといえるでしょう。

事代主神の真言(祝詞)とは？｜内容や効果

事代主神の祝詞は、商売繁盛や福を祈る際に唱えられる恵比寿神祝詞が有名です。

この祝詞は、神への感謝の気持ちと、深い祈りが込められた言葉で構成されています。

事代主神の神徳（神様の力）や国譲りのエピソードが触れられ、現代にも通じる大切な教訓や価値観が伝えられている内容です。

祝詞の中には、事代主神が親孝行と目上の人に対する忠義を大切にした生き方を示してくれることが語られています。

さらに、その生き方は、世代を超えて広まり、今なお多くの家庭で神棚に祀られる理由になっていると続いています。

恵比寿神祝詞は、商売繁盛や家内安全を祈るだけでなく、神様とのつながりを深めるための大切な手段です。

唱えることで、日々の感謝を表現し、神の加護を受けると信じられています。

事代主神に守られている人の特徴

事代主神は、託宣の神として知られ、漁業や商売繁盛のご利益を持ちます。

その特徴から、どのような人が加護を受けやすいのか、詳しく見ていきましょう。

たま

あてはまる部分はあるかしら？
ぜひあなたも自分と比べながら読んでみてちょうだい。

・相手の思いを汲み取り、言葉にできる人
事代主神は神のお告げを司る存在です。
事代主神に守られている人も、相手の真意を汲み取り、それを広めていくサポートをする力に長けているのではないでしょうか。
言葉にするのが苦手な人に対してもじっくり向き合い、引き出していくのが得意なタイプです。

・冷静な判断力を持つ人
事代主神は国譲りの際に、神の判断を速やかに受け入れ、冷静に対応しました。
このエピソードから、感情に流されず物事を客観的に判断できる人も、事代主神に守られる特徴と言えます。
予期せぬトラブルやミスが発生しても、パニックになることなく柔軟な対応で乗り越えていけるでしょう。

・自然を愛し、自分らしい生き方をする人
自然を大切にし、それを守ろうとする人は、海や漁業など自然と結びつきが深い事代主神に守られていると言えるでしょう。
自然と共存するような生き方や、自分自身を偽らず自然体でいることで守護を受けやすくなります。
また、目先の利益を追うのではなく、持続可能な社会のためにどのような行動をするべきか考えてみるのも良いでしょう。