猿田彦大神とは？他の神様との関係やご利益、祀られている神社を解説

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【日本の神様一覧】日本を作った神々を神話エピソードとともに紹介！日本を作った神様たちを知っていますか？古事記などの日本神話を元に神様の名前やエピソードを紹介します。ご利益の一覧もありますよ♪...

天孫降臨で道案内役を買って出た猿田彦大神とは？

猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ) は、日本神話における重要な神の1柱であり、日本の神々の中でも人気の高い神様です。

ここでは「猿田彦大神がどんな神様か」や「祀られている神社や他の神様との関係」について、主に『古事記』や日本の神話をもとに解説していきます。

多くの人々に愛されてきた猿田彦大神の物語を知ることで、日本の歴史や文化に触れ、より深いつながりを感じることができるでしょう。

猿田彦大神は物事を良い方向へ導く【みちひらきの神】

猿田彦大神は、日本神話における天孫降臨の際に、先頭に立って道案内をした神様です。

天孫降臨とは、もともと神様が暮らしていた高天原(たかまがはら)から、地上である葦原中国(あしはらのなかつくに)に邇邇芸命(ニニギニコミコト)が降り立ったことです。

猿田彦大神は道なき道を切り開き、ニニギニミコトたちを高千穂まで安全に導いたため、困難な状況においても正しい方向へ導いてくれる「みちひらきの神」「導きの神」「交通安全の神」といわれています。

また、災いを避け遠くを見通す力があったため、方位を司る「方位除けの神」ともされています。

さらにアメノウズメと夫婦となったことから、「縁結びの神」としても有名です。

猿田彦大神の家系図丨謎に包まれたアメノウズメの夫

猿田彦大神の誕生についての詳細は謎に包まれています。

古事記や日本書紀をみても、猿田彦大神の親についての具体的な記述は残されていません。

妻に関しては、天宇受売命(アメノウズメノミコト)と結婚したことが知られています。

アメノウズメは、天岩戸の前で舞を披露して天照大御神(アマテラスオオミカミ)を岩戸から誘い出した神様として有名です。

この2柱の間に生まれた子どもが、猿女君(さるめのきみ)と呼ばれる一族の祖先になったと伝えられています。

猿女君一族は宮中で神楽や祭礼を担当し、特に舞を奉納する役割として知られていました。

ほかにも、大田命(オオタノミコト)が、猿田彦大神の子孫であるとされています。

大田命は、倭姫命(ヤマトヒメノミコト)に天照大神をお祀りする場所として伊勢の五十鈴川の川上の地をお勧めしたといわれています。

猿田彦大神の誕生や親についての詳細は不明な点が多いですが、彼の役割や子孫に関する話は、古事記や日本書紀の中で重要な位置を占めています。

猿田彦大神は天孫降臨のエピソードからみちひらきの神とよばれた

猿田彦大神の最も有名なエピソードは、天孫降臨の物語です。

天孫降臨とは、天照大御神の孫である邇邇芸命(ニニギノミコト)が地上へ降り立ったことです。

地上に向かう途中にある天の八衢(やちまた)という場所に、天と地を照らす不思議な神様が立ちふさがっていました。

『日本書紀』には、猿田彦大神の容姿がとても詳しく書かれています。

背がとてつもなく高く、鼻はとんでもなく長く、口と尻が赤く、眼は八咫鏡(やたのかがみ）ように照り輝き、異様な風貌であったそうです。

猿田彦大神を見た天の神々も不信に思い、アメノウズメに声をかけさせました。

アメノウズメの「何者ですか？」という問いに対して、

「国津神(地上の神)で猿田彦と申します。天照大御神のご令孫が地上へ降臨されると聞いたので道案内をと思い、ここで待っていました」

と答えました。

猿田彦大神は衢(ちまた)、つまり「道＝ち」、「股＝また」の神と呼ばれる境界の守護神であったのです。

こうして猿田彦大神が道案内に加わったことえ、ニニギノミコトたちの行列は無事に高千穂の峰までたどりつきました。

これを啓行(みちひらき)と言い、このことから猿田彦大神は導く神様として祀られるようになります。

猿田彦大神の別名について【猿田毘古神・猿田彦命・精大明神】他

猿田彦大神には、「猿田彦命」など、多くの別名が見られます。

• 猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)：古事記での表記
• 猿田毘古神(サルタビコノカミ)：古事記での表記
• 猿田毘古之男神(サルタビコノオノカミ)：古事記での表記
• 猿田彦神(サルタヒコノカミ)：日本書紀での表記
• 猿田彦命(サルタヒコノミコト)：日本書紀での表記
• 衢神(チマタノカミ)：日本書紀での表記
• 佐太大神(サダノオオカミ)：出雲国風土記での表記
• 白髭大明神(シラヒゲダイミョウジン)：神社によっては使用される呼称
• 椿大明神 (ツバキオオカミヤシロ)：神社によっては使用される呼称
• 興玉神（オキノタマノカミ）：神社によっては使用される呼称

猿田彦大神とニニギ、コノハナサクヤヒメなど、他の神様との関係

ニニギノミコトとの関係丨アメノウズメと猿田彦大神を結びつけた

邇邇芸命(ニニギノミコト)が無事に高千穂に到着したあと、猿田彦大神はアメノウズメと夫婦になりました。

この2柱を結びつけたのが、他でもないニニギノミコトです。

ニニギノミコトは高千穂まで導いた猿田彦大神に労いの言葉をかけ、アメノウズメを呼ぶと次のように命じました。

「われわれを道案内してくれた猿田彦大神だが、名乗らせたそなたが直接伊勢までお送りしなさい。そして、その神の御名をもらい、お仕えしなさい」と。
　
古代において生まれや名を明かすことは、相手との特別の関係を表すものでした。

ニニギノミコトの命令により、アメノウズメは猿田彦大神の名から一文字もらい「猿女君(さるめのきみ)」と名前を変えます。

アメノウズメは結婚で初めて名を変えた神だそうです。

2柱が結婚したことから、猿田彦大神は縁結びの神とも言われています。

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八咫烏(やたがらす)との関係丨猿田彦大神の使い？

猿田彦大神は、天孫降臨の際にニニギを高天原から高千穂へ導いたことで有名です。

一方、八咫烏(ヤタガラス)は、神武天皇の東征の際に、天照大御神の使いとして先頭に立って道を示しながら進みました。

八咫烏の導きにより、神武天皇たちは迷うことなく熊野の険しい道を越え、無事に目的地である大和の地に到達することができました。

それぞれ異なる神話に登場するものの、導きの力と知恵を使い「道を示す」という重要な役割を果たしたことから、八咫烏は猿田彦大神の使いとも言われています。

また、八咫烏の八は復活の意味であることから、八咫烏は猿田彦大神の化身ではないかという説もあります。

猿田彦大神と八咫烏の関係について明確に記されていませんが、両者とも道案内という重要な役割をつとめた存在です。

現代でも導きの神や交通安全の象徴として受け継がれています。

コノハナサクヤヒメとの関係丨猿田彦大神・木花咲耶姫は併せて祀られることが多い

猿田彦大神とアメノウズメ、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ) は同じ神社の中で祀られることがあります。

木花咲耶姫と猿田彦大神の関係が具体的に語られる場面は少ないですが、天孫降臨に関連するエピソードにおいて両者の存在が交差します。

ニニギノミコトは地上に降り立ったあと、一目惚れした木花咲耶姫と結婚します。

その後、木花咲耶姫は火照命(ホデリノミコト)・火須勢理命(ホスセリノミコト)・火遠理命(ホオリノミコト)の3柱を生みました。

また、猿田彦大神とアメノウズメの結婚については、天孫降臨に関連する事柄として語られることが多くあります。

この2組の神々の結婚により、道案内と繁栄が結びつくのです。

さらに、木花咲耶姫の3番目の子であるホオリノミコトの別名は彦火々出見命(ヒコホホデミノミコト)。

このヒコホホデミノミコト、実は猿田彦大神として祀られていることもあるとか。

両者の組み合わせは、日本の神話や信仰の豊かさを表現しているとも言えるでしょう。

龍神との関係丨猿田彦大神・白龍大神は併せて祀られることが多い

猿田彦大神と白龍大神はしばしば一緒に祀られることがあります。

両神が併せて祀られる理由には、次のようなエピソードがあります。

猿田彦大神がとある旅の途中、大きな川に行き着きました。

しかし、水かさが増して渡ることができません。

それを見た水を司る神である白龍大神が川の水位を下げ、猿田彦大神は無事に渡ることができたのです。

この出来事以降、猿田彦大神と白龍大神は固い絆で結ばれ、互いに助け合う関係になったと伝えられています。

猿田彦大神は道案内の神、旅の神として知られています。

一方、白龍大神は水の神や農業の神として崇められ、豊作や治水・雨乞いなどに関わる神とされていますが、龍神そのものが神様を先導する存在ともされてきました。

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猿田彦大神のご利益とは

天照大御神の命を受けたニニギノミコトが、地上に降り立つのを支えた猿田彦大神。

神々を正しい道へ導いたことから、進むべき道を照らすみちひらきの神として、事業開運、良縁をもたらしてくれることで知られています。

また、安全に導いたことから交通安全の神様としての側面も持ち、方位を司る神様として、旅行や引越し、新しい事業の開始など、災厄を避け吉方位へ導いてくれるとされています。

そんな猿田彦大神が祀られている神社は全国に2000社以上あり、次のようなご利益があると言われていますよ。

猿田彦大神が祀られている神社

椿大神社（三重県鈴鹿市）

伊勢国一宮に鎮座する椿大神社（つばきおおかみやしろ）は、二千年の歴史を持つ日本最古の神社です。

地元の方から「椿さん」の愛称で親しまれています。

全国でお祀りする猿田彦大神の総本宮として信仰されており、万事良い方向に導いてくださる「みちびきの神様」として、交通安全や無病息災、商売繫昌などのご利益があります。

猿田彦大神の妻であるアメノウズメが別宮に祀られているため、縁結びの神社としても人気です。

また、社殿へ向かう途中にニニギノミコトが天孫降臨の際に乗っていた船が到着したとされる場所も。

椿大神社の社殿の隣に別宮である椿岸神社があり、椿岸神社のすぐ隣に願い事を叶えてくれる「かなえ滝」があります。

猿田彦神社（三重県伊勢市）

三重県伊勢市にある猿田彦神社は、猿田彦大神を主祭神として妻であるアメノウズメノミコトと共に祀られています。

神社内に設置されている八角形の装飾、鳥居の柱、手水舎の柱、方位石は、適切な方向性を示し、運気を高めるサポートをしてくれます。

なかでもご本殿の手前にある八角形の方位石は、運気を上昇させるパワースポットとされているので、触れてみることがおすすめ。

さらに、この神社には、アメノウズメノが舞を披露した場面と再現した天の岩戸がありますよ。

二見興玉神社（三重県伊勢市）

三重県伊勢市にある二見興玉(ふたみおきたま)神社の御祭神も猿田彦大神です。

鎌倉時代に、猿田彦大神の別名として興玉神(オキタマノカミ)が使われていたようです。

有名な夫婦岩の北東の海中に猿田彦大神ゆかりの霊石、興玉神石(おきたましんせき)が鎮まっていて、天孫降臨の際に猿田彦大神がお立ちになったと伝えられています。

また、二見興玉神社には二見蛙という蛙の置物がいたるところにあり、手水舎の「満願蛙」は水をかけると願いが叶うと言われていますよ。

猿田神社（千葉県銚子市）

千葉県銚子市猿田町にある猿田神社は、日本でもっとも東にある神社としても有名で、猿田彦大神・アメノウズメノミコト・菊理媛命(ククリノヒメノミコト)が主祭神です。

猿田神社には、「御船石(おふないし)」があり、こんな言い伝えがあります。

ある時、猿田彦大神が漁をしていると、比良夫（ひらぶ）貝に手をはさまれ海に沈み溺れてしまいました。

その際、猿田彦大神が沈んだ場所から3つの泡が上がり、その泡は石となりそれぞれに神が宿りました。

1つめの石は海の底へ沈み、2つめの石が元宮の横にある「大神降臨之地」に落ちたとされています。

そして、3つめの石は「御船石(おふないし)」として拝殿に向かって左手に祀られてます。

神社周辺は千葉県の天然記念物の「猿田神社の森」で、森全体に神様が宿っているかのような神聖さがあるのでぜひ訪れてみてくださいね。

猿田彦大神の祝詞(真言)とは？｜内容や効果

猿田彦大神の祝詞はいくつかありますが、そのなかでも特に有名なものは庚申祓(こうしんばらい)です。

庚申祓とは庚申(かのえさる)の日に行われる儀式で、猿田彦大神に祈りを捧げ、その力を借りて穢れや邪気を払うことが目的とされています。

さらに商売繁盛や家内安全、無病息災など様々な願いを込めます。

庚申の日とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた暦において、約60日に一度巡ってくる庚と申が重なる日です。

庚申の申はサルであることから、庚申信仰と猿田彦大神が結びついたのではないかと考えられています。

祝詞の言葉は、古語や難しい表現が用いられることが多く理解するのが難しい場合もありますが、言葉の響きや雰囲気は、神聖な空間を作り出し人の心を神に向けさせる役割を果たしています。

祝詞を唱えることで、猿田彦大神に自分の願いを託し、道に迷ったときには導きを求めてみましょう。

猿田彦大神に守られている人の特徴

ここからは、イワナガヒメに守られている人の特徴を紹介します。

ここでは、猿田彦大神に守られている人の特徴を紹介します。

• 自信に満ちたリーダータイプ
  道案内の神として、方向性を示し神々を導いた猿田彦大神。
  同じように目標達成に向けて周りを引っ張っていける人は、猿田彦大神からのご加護を受けていると考えられます。
   
• 戦略的思考が得意
  旅の神でもあり、道案内や道開きにおいて先を見据えて安全に導いた猿田彦大神。
  どんな問題やどんな状況でも最善の道をみつけ解決策を見い出せる人を猿田彦大神は、応援してくれるでしょう。
   
• 決断力と行動力を持つ
  猿田彦大神は、誰に指示されることもなく自ら進んで道案内の役割を引き受けました。
  同じようにリスクを恐れず決断力と行動力を発揮できる人は、特別なご加護を受けられますよ。
   
• 人脈を広げていく人
  神々と人間の世界を繋ぐ役割も猿田彦大神は果たしています。
  新しい人々と出会い人脈を広げていくことが得意な人や、価値観・立場が異なる人をつなぎ、協力していける人も猿田彦大神が守ってくれるでしょう。
   

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【まとめ】決断力と行動力で切り拓き、導いてくれる猿田彦大神

猿田彦大神は迷いや不安を抱える人々に対して、正しい道を示し、進むべき方向を教えてくれる存在とされています。

そのため、迷いや困難に直面した時に猿田彦大神の力を借りることで、内なる導きを得られるかもしれません。

猿田彦大神の力強いエネルギーに触れることで、自分を信じ目標に向かって突き進むことができますよ。

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